売上の調査方法
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税務調査では、売上についてどのような調査が行われますか?
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期末前後の売上計上時期が正しいかどうか、現金売上が正しく計上されているか等について調査されます。
期ズレのチェックは最重要項目
売上は、調査項目の中でも基本中の基本ですから、通常は一番時間を割いて調査されます。
調査官が主に注目する点は、次の2つです。
●売上計上時期が正しいかどうか
●現金売上等で計上漏れがないかどうか
売上計上時期という点では、期末前後の売上を調査官は重点的に確認します。当期に計上すべき売上が、翌期に計上されていないかを確認するためです。
会社は継続していくものですから、長い目で見れば、当期の売上になっても翌期の売上になっても、そう大差はないように思われるかもしれませんが、税務上は、売上計上基準が決まっていますので、その計上基準を継続的に適用していないと否認されることになりかねません。
具体的には、まず調査官はモノやサービスの流れと伝票の流れを確認します。その上で、期末前後1~2ヶ月分の伝票を確認されることが多いです。この際の 伝票 というのは、注文書、納品書、請求書等です。これらの書類を確認し、特に翌期首に計上されている売上が、正しい計上基準に基づいて計上されているかどうかが確認されます。
売上計上基準 というのは、例えば物品販売業であれば、出荷基準や検収基準など、サービス業であれば役務完了基準などがあります。お金が入金になっているかどうかは関係ありません。これらの計上基準は、いったん採用すれば、合理的な理由がない限りは、むやみに変更することは認められません。日頃から自社の計上基準を意識しておくことが大切です。
レジ売上は、翌日には口座入金すべし
現金売上があるところでは、当然レジ現金やレシートなども確認されます。これらの業種では、日頃からのきっちりとした管理が何より大切です。
例えば、レジ売上のある会社であれば、会社に金庫を置いて売上金を管理する方法も考えられますが、これでは現金売上が本当に金庫に全額保管されているか、客観的に証明するのが難しくなります。おすすめなのは、毎日、前日のレジ売上金を翌日には銀行口座に入金しておく方法です。こうすれば、通帳にしっかり記帳されますので、税務調査でも信憑性が高くなります。
後は、毎日レジ精算したときの 金種表を しっかりと保管しておいて下さい。現金残高は日々変わっていきますので、証明するのが困難になります。
こういった毎日の継続的な記録を残しておくことは、税務調査において非常に大事なことです。