ステップ9 税務調査官の目のつけどころ
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指摘事項を事前に予測する
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税務調査の対象となりやすい会社というのは、実際あると思います。大きく分類すると、13あります。自社が当てはまっていないかどうかなど、確認してみてください。
税務署の目のつけどころ
税務署は、納税者から提出された 決算申告書類が適正かどうか確認するために税務調査を実施します。
しかし、すべての納税者を調査することはできませんので、 絞込み をして調査を実施しています。
例えば、会社や経営者個人で大きなお金の移動(投資)があった場合には、資金の出所について調査される可能性が高くなります。また、同業他社と比べて、同規模程度であるにもかかわらず申告所得が少ない場合は、売上を除外しているのではないかと疑われ、調査の対象となることがあります。
(税務調査の対象となりやすい会社)
1. 売上高が大きい会社
2. 黒字会社
3. 急成長した会社
4. 長期間税務調査が実施されていない会社
5. 現金売上がある会社
6. 決算書で異常値がある会社
7. 決算書の経営分析項目(売上総利益率など)で異常値がある会社
8. 同業種と比較して申告所得が低い会社
9. 代表者や関連会社との取引がある会社
10.経営者個人で大きなお金の動きがあった会社
11.多額の投資を行った会社
12.取引先や従業員とトラブルがあった会社
13.マスコミ等で話題になった会社
決算書を3期比較で分析
税務署は、調査対象会社の決算書について、 3期比較して管理しています。そのうえで各勘定科目の数字を比較して大きな増減がないか、粗利益率、経常利益率など経営分析値に大きな変動がないか、という点に着目しています。大きな増減がある場合には、その理由を求められます。
また、営業外損益項目、特別損益項目に計上されているものは、 取引内容に ついて確認されることがあります。不動産の売買や役員退職金の支給があった事業年度についても、指摘されやすいので注意しておいてください。
【3期比較して管理し、ここに注目】
1.決算数値に異常がある
(販売費及び一般管理費項目)
□ 役員報酬は過大でないか?
□ 交際費が突出して多くないか?
□ 保険料は全額費用でいいのか?
(営業外損益項目)
□ 役員貸付金に対し、利息が計上されているか?
□ 賃貸料収入にもれがないか?
(特別損益項目) □固定資産売却損益は適正に計上されているか?
□役員退職金の支出がある場合、税法上損金となるのか?支給規定・議事録はあるのか?
2.経営分析値に異常がある
(利益率)
□ 粗利益率に大きな変動がないか?
□ 同業他社に比べて、大きな変動がないか?
(経費率)
□ 人件費率に大きな変動がないか?過剰ではないか?
(回転率)
□在庫が適正に計上されているか?