ステップ5 書類の準備と注意点③
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「議事録、定款、謄本など」の準備と注意点
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過去の役員報酬の変更や役員退職金支給などについて、きちんと議事録が残されていますか。税務調査において、形式基準としてこれらのものがきちんと存在していることは、円滑な税務調査において重要です。
役員報酬は、支給限度額と改定時期を確認
税務調査では、株主総会議事録や取締役会議事録を確認されることがありますので、準備しておく必要があります。これらの議事録は、主に 役員報酬や役員退職金の支給根拠として確認されます。
役員報酬については、株主総会で1年間の支給限度額を定めなければなりません。実際に支給した役員報酬の金額がこの限度額を超えている場合には、 過大役員報酬として否認されてしまいますので、議事録で確認しておいて下さい。
また、役員報酬は定期同額が原則となっており、事業年度開始から3ヶ月以内に1度だけ改定することができます。役員報酬を改定している場合には、 議事録で改定時期を確認しておきましょう。
役員退職金を支給している場合には、株主総会等できちんと決議できているかが重要ですので、調査ではその確認がされます。 議事録に捺印もれがないかも同時に確認しておいて下さい。
定款、謄本も確認される場合あり
定款や謄本も確認されることがありますので、準備しておきましょう。
定款は主に事業年度の確認、謄本は本店所在地、役員構成等を確認するために、提出を依頼されることがあります。
<チェック項目>
●定時株主総会議事録
□役員報酬の改定や支給限度額が定められているか
□上記決定内容が、会計帳簿と整合性が取れているか
□取締役全員の押印がなされているか
●臨時株主総会議事録
□期首から役員報酬を改定している場合等に、臨時株主総会議事録が作成されているか
□期中に役員退職金を支給している場合に、臨時株主総会議事録が作成されているか
□事業年度変更を行っている場合、臨時株主総会で定款変更の決議を行っているか
□取締役全員の押印がなされているか
●取締役会議事録
□株主総会で決定を委託された項目等につき、取締役会議事録が作成されているか
□取締役全員の押印がなされているか
●登記簿謄本
□本店所在地は実際と一致しているか
□役員構成について、税務上のみなし役員、使用人兼務役員等の問題はないか
●定款
□事業年度に変更はないか