私物の税務調査
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税務調査で私物の調査はあり得るのか?
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税務調査において調査官が必要があると判断すれば、社長の個人通帳等の私物も調べられる可能性があります。そういったことにならないためには、税務調査前に会社の整理整頓を行い、 会社のものと個人のものをきちんと分けて管理 するようにしましょう。
税務調査の対象となる帳簿書類等とは?
国税庁が公表している税務調査に係る「事務運営指針」の「基本的な考え方について」によると、「調査について必要がある場合において、質問検査等の相手方となる者に対し、帳簿書類その他の物件(その写しを含む)の提示・提出を求めるときは、質問検査等の相手方となる者の理解と協力の下、その承諾を得て行う。」とされている。
ちなみに「帳簿」には、例えば総勘定元帳、仕訳帳、現金出納帳、売掛金元帳、買掛金元帳、固定資産台帳、売上帳、仕入帳などがあり、「書類」には、棚卸表、貸借対照表、損益計算書、注文書、契約書、領収書などがある。さらに「その他の物件」には、国外において保存するものも含まれることに留意する必要がある。
では、法人税の税務調査において社長の私物まで対象となるのか気になるところである。 それについては、国税庁が公表している「税務調査手続きに関するFAQ(一般納税者向け)」に記載されているので、ご紹介する。
問:法人税の調査の過程で帳簿書類等の提示・提出を求められることがありますが、対象となる帳簿書類等が私物である場合には求めを断ることができますか?
答:法令上、調査担当者は、調査について必要があるときは、帳簿書類等の提示・提出を求め、これを検査することができるものとされています。この場合に、例えば、法人税の調査において、その法人の代表者名義の個人預金について事業関連性が疑われる場合にその通帳の提示・提出を求めることは、法令上認められた質問検査等の範囲に含まれるものと考えられます。調査担当者は、その帳簿書類等の提示・提出が必要とされる趣旨を説明し、ご理解を得られるよう努めることとしていますので、調査へのご協力をお願いします。
つまり、調査において必要があれば、 社長の個人通帳も調べられる可能性 があることに注意していただきたい。
税務調査前には「整理整頓」を
2014.6.10執筆
(注)執筆当時の法律に基づいて書いていますのでご利用は自己責任でお願いします。